能面の作り方。能面販売、能面通販の鈴木能面工房。能面、狂言面、不動、小面、般若などの能面販売。能楽や能舞台の能面からお飾り、お土産などの用途まで、様々な種類の能面を販売中です。修理、修復、修繕も承っております。

鈴木能面で制作している能面、または能面教室「面向会」(プロフィール参照)で教えている、能面の作り方を一部ご紹介いたします。

能面の作り方

荒処理

1 「型紙」写し・・・型紙線の線上を切り取る
2 木型の高低取り・・・側線に「額と顎」の「反り」を採寸してから「縦型」の高低を転写
3 縦型の高低をのこ引き
4 高低を削り取る
5 外周の型取り・・・突き鑿で型紙の側線にそって型起こし
6 「額と顎」の反り取り
7 裏面の荒取り
8 表面の荒取り

型取り

9 「縦型」の削り取り
10 「額型」の削り取り
11 「鼻型」の削り取り
12 裏面の前面の削り取り
13 「口型」
14 「目型」
15 裏面の整形
16 表面の「鑿跡」取り

17 ※先生から全体チェック

型整形

18 表面と裏面のペーパーかけ・・・180と240
19 裏面に焼印
20 裏面の漆塗り(3回)
21 目と歯の銅板の型取り・整形・鍍金
22 鍍金・・・銅板の磨き工程(1000番・1500番・パフ)
23 洗剤で洗浄・酸化・水銀貼り・金箔貼り(3回)・焼入れ・磨き

塗り工程

24 盛上げ胡粉(計量スプーン大盛り2杯)に膠溶液16cc+4ccの水
25 盛上げ胡粉(大盛り2杯)の漉し残りに10ccの膠溶液・・・1回目の塗り込み
26 24の胡粉溶液を塗りこむ
27 整形のためペーパーで研げ出し
28 再度、24と同様な胡粉溶液を塗りこむ
29 仕上げ胡粉(大盛り2杯)に膠溶液16cc+水4ccを塗りこむ

彩色

30 彩色・・・地色
31 彩色・・・仕上げ彩色
32 毛描き・・・髭・髪の毛
33 古色付け

● 縦型に合わせて「高さ」の採寸
● 額や顎の中心点から「縦幅」の採寸
● ~の中心点から「横幅」の採寸
● 裏面の「目」や「鼻筋」・「口角」の位置を採寸
※ 各ポイントの難しい部分は、「手本」から「型紙」を取っておく

能面の象嵌

<材料の加工>

1 銅板の用意(0.5mm)
2 銅板のカット・・・ (5.5cm×3.5cm)
3 カット銅板を焼き戻す・・・片面をレンジで焼き、「水」に入れる
4 カット銅板を「穴」に合わせて丸みを打ち出す・・・槌跡を残さぬよう丁寧に

<型取>

5 眼球の型取
  ・アルミホイルで眼球の型取・・・正確なサイズと丸み
  ・銅板にアルミの型をのせて鉛筆で書き写し、眼球のサイズを切り取る
  ・「黒目」の抜き取り・・・鏨で切り取るまたは太い釘で穴を開け、鑢で削る
  ・眼球の周囲と黒目の周囲の鑢かけ

<研磨>

6 磨き工程
  ・サンドブロック(中目と細目)で丁寧に磨く
  ・1000番の耐水ペーパーで磨く
  ・パフで研ぐ

<鍍金>

7 鍍金工程
  ・磨き眼球を石鹸または「ソース」で洗う(アルカリ化)
  ・梅酢を付ける(酸化)
  ・水銀を付着させる・・・水銀は壜に戻す(取扱いは丁重に)
  ・金箔を貼る・・・銀色に変色したら再度金箔を貼る
    ※金箔を下にしてR面をのせて(皺にならない)手で軽くなぞる
  ・しばらく放置して、「銀色」に変色したら加熱する・・・電熱器

<仕上げ>

8 磨ぎ出し
  ・冷めたら「真鍮ブラシ」で磨く
  ・磨き棒(針または鑢などの鋼材)で磨く

<歯の作成>

・作業台に線状の溝を作る
・溝に歯の輪郭を合わせて「曲げる」ための位置に合わせて鏨で凹ます